三面を高く、一面を薄く ボカの「D型」本拠地が街に収まる形
ボカ・ジュニアーズの本拠地ラ・ボンボネーラは、上から見るとアルファベットのDに近い。三方向には急なスタンドが重なり、残る一面は薄い。ブエノスアイレスの古い港町にある競技場は、大きさより「どう収まっているか」を見ると印象が変わる。
正式名は別にある
ラ・ボンボネーラは愛称だ。正式名はエスタディオ・アルベルト・J・アルマンド。アルゼンチンの首都ブエノスアイレス南東部、ラ・ボカ地区のブランセン通り805番地にある。クラブ公式によると、現在の競技場は1940年5月25日に開場した。最初の試合はサン・ロレンソとの親善試合で、ボカが2-0で勝った。
三面と一面が同じではない
ブエノスアイレス市の観光案内は、D字形の輪郭、急な側面、ピッチに近い客席をこの競技場の特徴として挙げる。三方向ではスタンドが高く重なり、残る一面では建物の厚みが薄い。四辺を同じ高さにそろえた器ではない。ただし、市とクラブのページは、敷地の狭さがD字形を直接決めたとは説明していない。確認できる形と、広く語られる理由は分けておきたい。
1953年、三層目と照明が完成
開場時の姿が完成形だったわけではない。クラブ公式史では、三層目と照明設備の落成式が1953年2月12日に行われた。1940年の開場から約13年後だ。現在見える高さは、一度の建設で生まれたのではない。試合を続けながら、上へ客席と設備を足してきた。
カミニートから歩ける競技場
ラ・ボカは、旧港と移民の歴史が残る地区だ。色鮮やかな建物が並ぶ観光通りカミニートは、競技場のすぐ近くにある。市の案内も、二つを同じ地区の見どころとして紹介する。郊外のイベント施設とは違い、観光客の通り道と住民の生活圏、試合日の人波が近い場所で重なる。それがラ・ボンボネーラを、街から切り離せない競技場にしている。
1800平方メートルの食堂街を足す
非対称な骨格を残しながら、場内は変わっている。クラブの工事一覧には、1800平方メートルを超す新しい飲食エリアが載る。九つの飲食店、医務室、従来の4倍の処理能力を持つ三つのトイレ区画を整えたという。歴史ある正面ホールでは床と照明を直し、既存の絵画を残した。客席数だけを増やすのではなく、試合前後に過ごす場所と入退場の使い勝手を更新している。
