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酔客を一晩収容した1787年の留置所 エヴァートンの紋章に残る小さな塔
エヴァートンの紋章中央にある塔は、王の城でもスタジアムでもない。リヴァプールのエヴァートン地区に残る、1787年開設の小さな留置所だ。酔って騒いだ人を一晩収容した建物が、1938年からクラブの顔になった。
警察署が遠い時代、村が持った一晩用の施設
建物の名はエヴァートン・ロックアップ。ロックアップは、裁判所や警察署が遠かった地域で、人を一時的に収容する施設だった。エヴァートンFCヘリテージ協会の調査によると、この建物は1787年に開設された。酔って騒いだ人は、翌朝までここで酔いをさました。現在もエヴァートン・ブラウの丘に残り、英国のGrade II指定建造物として保護されている。Grade IIは、特別な関心を持つ建物を保存する区分だ。
プリンス・ルパートが来たのは、塔ができる143年前
この建物は「プリンス・ルパート・タワー」とも呼ばれる。プリンス・ルパートは、17世紀のイングランド内戦で王党派軍を率いた人物だ。1644年、軍勢はリヴァプール包囲戦の前にエヴァートン・ブラウ周辺へ陣を置いた。しかし、留置所の開設は143年後。ルパート本人も部隊も、この建物を使っていない。人物名は丘の戦史から、建物の役割は村の日常から来ている。
1938年のネクタイから、1978-79年のユニフォームへ
クラブ書記のテオ・ケリーは1938年、役員用ネクタイに入れる紋章を考えた。構想には4カ月をかけ、エヴァートン地区の中心に立つロックアップを選んだ。塔の左右へ月桂樹を置き、ラテン語の標語「Nil Satis Nisi Optimum」を添えた。意味は「最善だけがふさわしい」。この紋章が選手のシャツへ載ったのは1978-79シーズンで、誕生から40年後だった。2025-26シーズンの第3ユニフォームにも塔だけの印が使われ、クラブが新本拠地へ移った後も地区との結び付きを示している。
