高校生がプロ選手へ教える V・ファーレン長崎が「発信」の前に置く平和学習
V・ファーレン長崎は、選手が平和のメッセージを発する前に、被爆者と高校生から学ぶ時間を置いている。2024年にはバスケットボールの長崎ヴェルカも加わった。移籍してきた選手が、被爆地の歴史を受け取るための授業だ。
原爆の日の1カ月前、選手が被爆者の話を聞いた
2025年7月9日、V・ファーレンの選手らは被爆者の講話を聞き、長崎原爆資料館を訪れた。長崎原爆の日は8月9日で、この年は被爆から80年だった。地元のNBC長崎放送によると、クラブは10年前から毎年この時期に平和学習を続けている。記念試合の直前だけ言葉を掲げるのではなく、土地の歴史を知る時間を先に確保してきた。
山口蛍は「無知だった」と話した
2025年の学習後、山口蛍は自分が無知だったという趣旨を率直に語った。安部大晴は、サッカーができる幸せをプレーから伝えたいと話した。プロ選手も、まず教わる側へ座る。被爆者が経験を語り、高校生が学びを支える。クラブの発信力は大きいが、発信する内容は地域の人から受け取る。その順番が活動の核になっている。
2024年は、バスケットボール選手も同じ机へ座った
2024年7月22日の授業には、Bリーグの長崎ヴェルカも参加した。ヴェルカは長崎を本拠とする男子バスケットボールクラブだ。V・ファーレン公式は、両クラブの選手・スタッフ約60人が参加したと記録する。高校生平和大使から被爆の実相を学び、競技を通じた伝え方をグループで考え、平和公園で献花した。約60人は観客数ではなく、競技の違う二つのプロ組織が一緒に学んだ人数だ。
Jリーグが評価したのも、選手が学ぶ側に立った点だった
高校生平和大使は、核兵器廃絶を求める署名や国際発信に取り組む長崎発の活動だ。V・ファーレンは2020年から連携を続けている。Jリーグは2025年、この取り組みをシャレン!アウォーズのメディア賞に選んだ。選考コメントが挙げたのは、他競技との連携に加え、選手全員がホームタウンから学ぶ点だった。選手が入れ替わるプロクラブで、授業を毎年続ける理由がここにある。
