娘が気づいた静かな客席から、7000人の女子遠征へ ハンマルビーの応援が増えた順番
ハンマルビー女子の応援文化は、2023年のリーグ優勝と同時に生まれたわけではない。その数年前、シモン・サンドストレムは幼い娘と女子チームを見て、男子の試合で聞こえるような歌声がないことを指摘された。友人に声をかけ、拡声器を買い、試合前の集まりを始めた。やがて女子リーグの最終節には7000人を超えるファンが遠征した。
娘のひと言を、次の試合の準備に変えた
ハンマルビーは、スウェーデンの首都ストックホルム南部、セーデルマルム地区を基盤とするクラブだ。サポーターのサンドストレムは、当時9歳だった娘イサベラと女子チームを観戦した。娘は、なぜ人が少なく、誰も歌っていないのかと尋ねたという。
彼は友人たちに連絡し、拡声器を買った。試合前にパブへ集まり、顔見知りを増やし、遠征を組み立てやすくした。クラブのチケット担当とも連携し、SNSで観戦を呼びかけた。男子チームの客席をそのまま移したのではない。女子の試合へ来た人が、次は応援をつくる側へ回れる段取りを積み重ねた。
最初の大記録は、優勝より2年前だった
2021年10月10日のAIK戦には1万8537人が入った。スウェーデン女子クラブ試合の従来記録は、2008年の9413人だった。ハンマルビーはストックホルムのダービーを大きな会場へ移し、従来記録を大幅に更新した。
この一試合だけで、毎節の観客が増えたとは言えない。それでも、優勝争いが始まる前から、女子チームのために大きな客席を埋められることをクラブとサポーターは示していた。
ホームの大観衆が、7000人超の遠征へ続いた
2023年は国内カップ決勝に1万7623人、リーグ終盤のBKヘッケン戦に1万5033人が集まった。そして最終節のIFKノルシェーピン戦では、7000人を超えるハンマルビーのファンが敵地へ向かったとGuardianが報じた。試合全体の観客は8251人だった。
ハンマルビーはBKヘッケンと勝点59で並び、得失点差1でリーグを制した。応援が勝敗を決めたとは言えない。ただ、女子チームのサポートがホームの注目試合だけで終わらず、大人数で一緒に移動する習慣へ進んだことは分かる。
敗れた夜にも、クラブ新記録は生まれた
2024年11月21日、女子チャンピオンズリーグのマンチェスター・シティ戦には2万428人が入った。スウェーデンの女子クラブ試合として新記録だった。ハンマルビーは1-2で敗れている。大人数の応援が、勝利後の祝賀だけに集まったのではない。
1万8537人、7000人超、2万428人は、それぞれホームの一試合、遠征したと報じられた人数、別のホーム一試合の観客数で、同じ指標ではない。また、どれもシーズン平均ではない。数字を一列に並べるより、娘の疑問から始まった準備が、ホームの記録と敵地への移動の両方へ広がった順番に、このクラブらしさがある。
