男子の133年が終わった翌季、女子の本拠地へ グディソン・パークを街に残した判断
グディソン・パークは、イングランド北西部の港町リバプールにある。1892年からエバートン男子チームの本拠地だったが、男子は2025年に市内の新スタジアムへ移った。跡地を住宅や医療施設へ変える計画もあった。新オーナーが選んだのは、競技場を残し、女子チームの恒久的な本拠地にする道だった。2025-26シーズン、発表は実際の試合日程へ変わった。
男子の移転で、住宅街から試合日が消えるはずだった
エバートン男子がグディソン・パークで最初のリーグ戦を行ったのは1892年。2025年までの133年間、住宅街に約3万9500人規模の観客を迎えてきた。男子は同じリバプール市内、マージー川沿いの新スタジアムへ移った。
移転は、古い建物の使い道だけを変える話では済まない。定期的に人が集まる日を地域へ残せるか。スタジアム周辺で活動するクラブの慈善部門と、新しい競技利用をどう結ぶか。グディソンの将来には、女子チームと街の二つの課題が重なった。
住宅中心のレガシー案から、競技場を残す案へ
クラブが2020年に示した「グディソン・レガシー計画」は、跡地に住宅、医療、教育、地域施設を整える構想だった。レガシーは、移転後に地域へ残すものを指す。
2024年12月にクラブを買収したフリードキン・グループは、この計画を再検討した。2025年5月13日、グディソンを残し、女子チームの恒久的な本拠地にすると発表した。慈善部門Everton in the Communityの活動も、周辺のグディソン・キャンパスと広い敷地で続ける。住宅中心の再開発案から、サッカーと地域活動を同じ場所へ残す案へ軸が移った。
ウォルトン・ホール・パークから、女子専用の大舞台へ
女子チームが以前使っていたウォルトン・ホール・パークは、リバプール市内の陸上競技場だ。Sky Sportsは収容規模を2200人と報じた。グディソンへの移転は、観客席を増やすだけでなく、男子トップチームと日程を分け合わない恒久的なホームを得ることを意味した。
2025年11月9日のマンチェスター・シティ戦で、公式試合冊子はグディソンを女子チームの新しい本拠地として紹介した。監督ブライアン・ソレンセンと主将メグ・フィニガンも、観客を「グディソン・パークへ」と迎えている。5月の方針が、同じ年のリーグ戦運営まで進んだ証拠になる。
L4に残ったのは、女子の試合と七日間の活動
グディソン周辺は郵便番号からL4地区と呼ばれる。Everton in the Communityの2024-25年報告によると、活動拠点は英国で困窮度が高い上位1%の地域にあり、子どもの3人に1人が絶対的低所得世帯で暮らす。慈善部門は10年で周辺の専用施設へ1350万ポンドを投じた。
食料を安く提供する拠点、心の健康を支える施設、デジタル技能を学ぶ場所がスタジアムの近くにある。女子のホーム化だけで地域課題は解けない。けれども試合日が戻り、選手と慈善部門が同じ地区で活動できる。男子の移転後も、クラブがL4へ通う理由を残した判断だった。
