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アウェー更衣室を産科外来へ トッテナム本拠地が約3カ月半で4万1500件を受け入れた

2020年春、トッテナム・ホットスパーの本拠地は無観客になっただけではない。アウェー更衣室や検査室が、妊婦と女性患者を診る場所に変わった。近隣病院の外来機能を72時間で移し、約3カ月半で4万1500件を超える予約を受け入れた。多目的スタジアムの価値が、スポーツ以外で試された期間だった。

病院から約1.6キロ。妊婦を感染対応の中心から離した

2020年4月、新型コロナウイルス感染症への対応で、ロンドン北部のノース・ミドルセックス大学病院は病床と動線の余裕を必要としていた。トッテナム・ホットスパー・スタジアムは病院から約1マイル、約1.6キロの場所にある。

移されたのは、妊婦健診、超音波検査、婦人科・産科外来などだ。出産そのものを競技場で行った、という意味ではない。通常の外来患者を病院本館から離し、感染対応と動線を分けることが目的だった。

客席ではなく、更衣室と取材区画が診察室になった

NHSは英国の公的医療制度だ。病院側の資料によると、アメリカンフットボール開催時のアウェー更衣室は産科ケアに使われた。サッカーのアウェー更衣室とドーピング検査室は産科クリニックと事務拠点へ。試合後のテレビ取材室と審判用区画は、診察室になった。

病院とクラブの施設管理、IT、運営、医療の担当者は、イースター休暇の週末72時間で移設した。観客を入れるための客席ではなく、ふだん表に出ない部屋が外来の受け皿になった。

開設時は1日最大70人、運用時は200人超

開設前のNHS案内は、女性外来を月曜から土曜まで開き、1日最大70人を受け入れ、同時に最大30人のスタッフを置くとしていた。終了時の資料では、提携期間中に1日200人超の新規患者を診たと説明している。

70人は開設時の女性外来の計画値、200人超は妊婦健診、婦人科、産科を含む運用実績だ。同じ「1日」の数字でも、前者は計画、後者は期間中の実績である。

4万1500は予約件数。4万1500人ではない

女性外来は2020年4月14日に始まり、7月末に病院へ戻った。プレミアリーグは後に、スタジアムで扱った予約を4万1500件超と発表した。これは受診した実人数ではなく、延べ予約件数だ。

病院によると、移設前の3月中旬には女性外来予約の7件に1件超が来院なしになっていた。感染対応の中心から外来を分けた背景には、通院をためらう人へケアを続ける目的もあった。

女性外来が戻った後、地下駐車場は検査拠点に残った

女性外来が7月末に病院へ戻った後も、地下駐車場のドライブスルー検査は続いた。NHSは8月から、北ロンドンで予定手術を受ける患者の検査を週最大2000件まで担う計画を示している。

スタジアムが恒久的な病院になったわけではない。約3カ月半の外来を終えた後も、別の医療用途が残った。アウェー更衣室、取材区画、地下駐車場という普段は試合を支える場所が、時期に合わせて役割を変えた。

参考記事NHS — Opening the clinics and assigning stadium roomsNHS — The 72-hour move and July returnTottenham Hotspur — NHS use after football returnedPremier League — More than 41,500 appointmentsSky News — Distance from the hospital and purpose