紋章のワシを、試合前に飛ばす ベンフィカで続く儀式と廃止要請
ポルトガルの首都リスボンを本拠地とするベンフィカは、ホーム戦前に生きたワシを飛ばす。紋章の鳥がスタジアムを旋回する儀式は、クラブの象徴を動く姿にしたものだ。一方で、動物を試合演出に使わないよう求める声も続いている。
ワシは、試合演出より先に紋章にいた
ベンフィカ公式は、クラブ創設前後の1903年12月ごろに考案された紋章について、ワシが独立、権威、気高さを表すと説明する。生きた鳥の飛行が先にあり、後から紋章へ入れたわけではない。先に印としていたワシを、のちに試合前のスタジアムで実物として見せるようになった。クラブ博物館も「ヴィトーリア」と呼ばれるワシを、サポーターを鼓舞する存在として紹介している。
赤白のリボンを付け、調教師へ戻る
AP通信が2018年に伝えた儀式では、ワシはホーム戦前に赤と白のリボンを付けて放たれ、場内を飛んだ後、ピッチ中央付近にいる調教師のもとへ戻る。クラブの色と紋章の動物を、試合開始直前の合図へまとめた儀礼だ。
2018年、ワシは場外へ飛び去った
2018年3月31日の試合前には、ワシがスタジアムの外へ飛び去った。AP通信によると、鳥は翌日に無事戻った。予定された飛行と違う結果になった事実は、生き物が演出通りに動く装置ではないことを示している。
2022年の要請は、2025年にも続いた
動物保護団体PETA英国は2022年、ベンフィカへ生きたワシの使用をやめ、着ぐるみの演者へ替えるよう求めた。大音量と多数の観客が鳥へ負担を与えるという主張だ。2025年8月には、博物館でワシの脚がつながれていたという来館者の申告を受け、会長へ再び中止を要請した。この申告と鳥への影響評価はPETA側の説明であり、クラブや第三者機関が確認した事実としては扱えない。
2026年にも、飛行は続いた
スペイン紙ASは2026年1月、エスタディオ・ダ・ルスで同じ儀式が続いていると報じた。記事では、クラブがPETAの要請に公の回答を示していないとも伝えている。廃止要請があることと、個々のワシの健康状態が外部検査で確定したことは別だ。現時点で確認できるのは、ベンフィカが飛行を続け、PETAも中止を求め続けていることまでである。
