白黒のチェック柄は、街の反人種差別音楽だった コヴェントリーが2トーンを着る理由
イングランド中部の都市コヴェントリーを本拠とするコヴェントリー・シティは、2019年に白黒のチェック柄をサードユニフォームへ入れた。単なる復刻柄ではない。街で1979年に生まれた音楽レーベル「2トーン」が、人種の違う若者を同じ舞台へ集めようとした視覚表現だった。
2トーンは、音楽の種類だけを指す言葉ではない
2 Tone Recordsは、ザ・スペシャルズのジェリー・ダマーズが1979年にコヴェントリーで設立したレーベルだ。ジャマイカ生まれのスカと英国のパンクを結びつけた。ザ・スペシャルズやザ・セレクターには黒人と白人のメンバーがともにいた。街の美術館は、その活動を当時の人種的緊張へ働きかける運動として紹介している。
チェック柄は、自転車の粘着テープから生まれた
白黒の市松模様、細身のスーツ、ポークパイハット、踊る男性像ウォルト・ジャブスコ。2トーンには音と同じくらい強い見た目があった。市松模様は、黒人と白人が一緒になるという理念の象徴になった。ダマーズは子どものころ、自転車を飾った粘着テープの柄から着想した。コヴェントリーの展覧会資料が、その由来を記録している。
40周年に、クラブは街の音楽を第三のユニフォームにした
コヴェントリー・シティは2019-20シーズン、2トーン誕生40年を記念するサードユニフォームを発表した。上半分を白、下半分を黒に分け、チェック柄を組み込んだ。背面にはウォルト・ジャブスコ、襟の内側には反人種差別の文言を置いた。クラブカラーの水色ではなく、街が外へ送り出した文化を選んだ。
FAとEFLが認め、ピーターバラ戦で着用した
記念商品だけでは終わらなかった。クラブは同年10月、ピーターバラ・ユナイテッドとのアウェー戦で着るため、イングランドサッカー協会(FA)とイングリッシュ・フットボールリーグ(EFL)の承認を得たと公表した。街の音楽史が、公式戦のユニフォームになった。
2019年版は、2024年に公式復刻された
クラブは2021-22シーズンにも、2トーンを主題にしたサードユニフォームを制作した。2019年版は2024年、公式の復刻商品として再び販売された。2トーンは一季だけの記念柄ではなく、クラブが繰り返し選ぶ街の記号になっている。
