26週間の授業から最初の有給仕事へ ランダースFCが14〜17歳に渡す「企業の入口」
デンマーク中部ユトランドのクラブ、ランダースFCには、プロ選手を選ぶためではない「ジョブ・アカデミー」がある。対象は、最初のアルバイトへ踏み出すのに支えが必要な14〜17歳だ。26週間かけて働く準備をし、クラブと自治体が地元企業への入口をつくる。育成という言葉を、ピッチの外へ広げた取り組みだ。
育成するのは、選手ではなく働く準備
「Talents of Tomorrow」は、ランダースFC、ランダース市の若者支援部門、ユーススクール、地域事務局が組む就労支援だ。財団助成による事業は2018年に始まり、参加者を迎える活動は2019年から続く。現在の募集対象は14〜17歳。求人を見つければ終わりではなく、最初の仕事を得て、続けるところまでを扱う。
サッカークラブが担う意味は、練習メニューにあるわけではない。若者が知っている場所と名前を入口にし、クラブが持つ企業とのつながりを、就労の機会へ変えることにある。
26週間は、履歴書を書く前から始まる
当初のプログラムは26週間で、三段階に分かれていた。最初の2週間は参加条件をそろえる面談。次の6週間は週2回の授業とワークショップで、参加者には賃金も支払われた。ここでは自分の得意分野を言葉にし、ランダースFCなどの具体的な仕事も経験した。
最後の18週間は、応募、面接、アルバイト開始へ進む。就職後も定着のための支援が続いた。2021年の評価報告に載る仕事は、小売店、倉庫、厨房、食堂など。クラブ内の体験で終わらず、街の通常の有給仕事へ渡すところまでが26週間に含まれていた。
97人の「仕事」と「進学準備」は、同じ数字ではない
2021年8月15日時点で、プログラムを終えたのは97人だった。進行中の第7期に18人がおり、第8期はこれから始まる段階だったため、報告書は最終参加者を約130人と見込んでいた。完成済みの131人を評価したわけではない。
第1〜5期では85.88%がアルバイトを得た。5カ月以上働ける期間があった第1〜4期の定着率は72%。第5・6期まで含めると69.7%だが、まだ5カ月に達していない参加者も混じる。進学準備では、97人のうち38人が終了後に「教育準備ができた」と判定された。就職率、定着率、進学準備は、母数も測る時点も別々である。
クラブだけでも、自治体だけでも回らない
若者を支えるのは、クラブ職員だけではない。自治体の若者支援部門が候補者をつなぎ、ユーススクールと地域事務局が生活や教育の事情を支える。ランダースFCのジョブ・アカデミーは、クラブの企業網を使って仕事先を探し、若者と企業の間を調整する。
2026年に公表された別の分析は、第1〜8期の125人を対象に、2019年1月から2025年5月までの月ごとの所得を比較群と照らした。初期評価の97人とは人数も追跡期間も違う。クラブは、参加者の月収、就学、就労が比較群を上回り、公的扶助を受ける割合が低かったと説明している。
市の予算資料には、二つの要求額が並ぶ
現行の自治体との協定と助成は2026年末で切れる。市の社会・労働市場委員会は6月9日、2027〜30年予算へ延長要求を送ることを決めた。8月4日付資料が示す実施案は、2027年と28年に年3期、合計50人を受け入れる内容だ。
同じ資料の本文には市への年81万16クローネ、表には81万36クローネと20クローネの差がある。年総額101万4694クローネと、クラブなどの共同負担20万4658クローネから計算すると、表の81万36クローネと一致する。いずれも確定予算ではなく要求段階であり、2026年9月7日時点で確認できるのは、委員会が延長案を予算審議へ送ったところまでだ。
