アカデミー男子との食堂共有をやめた マンチェスター・シティ女子を支える3人の料理人
マンチェスター・シティは2026年5月13日、女子トップチームの専用練習棟を開いた。1000万ポンドを投じた施設で目を引くのは、ジムや水治療設備だけではない。3人の専任料理人が、練習日程だけでなく選手の文化や好みに合わせて食事を作る。共有施設の強みを残しつつ、女子チームの一日を専用に組み直した。
専用棟は、男子部門から離れるための建物ではない
新棟は、イングランド北西部マンチェスターにあるシティ・フットボール・アカデミー(CFA)の中にある。CFAは男子、女子、育成、クラブ職員が集まる約2億ポンド規模の拠点だ。女子チームは自分たちの建物を得た一方、クラブ全体の1000人を超すスタッフや設備へ引き続きアクセスできる。専用化と全体連携を同時に残した。
数百人の育成選手と同じ献立から、3人の専任料理人へ
以前は、14歳から19歳の男子アカデミー選手数百人と建物や食事を共有していた。主将アレックス・グリーンウッドはロイターに、成長期の男子向けの食事が女子のエリート選手にいつも最適だったわけではないと話した。新棟では3人の料理人が栄養士や選手と連携し、試合後の帰路で食べる分まで用意する。違いは豪華さより、誰の予定に合わせるかにある。
名前入りの箸も、辛い料理も、栄養計画の中に置く
取材時に所属していた日本人選手4人には、名前入りの箸が用意された。ジャマイカ代表FWカディジャ・“バニー”・ショーには、好みに合う辛い料理を出す。選手を一つの献立へ合わせるのではなく、身体への補給を文化や嗜好とつなぐ。専任スタッフがいれば、遠征、キックオフ時刻、回復計画が変わっても、同じ考え方で食事を調整できる。
1万7000平方フィートは、一日の動線をまとめる広さ
建物は1万7000平方フィート、約1580平方メートル。筋力・コンディショニング用のジム、医療、リハビリ、理学療法、水治療の区画が入り、骨盤の健康を扱う専門職もいる。1000万ポンドは食堂だけの費用ではなく、準備、治療、回復、食事を近くに置く施設全体への投資だ。チームは開設前にリーグ優勝を決めており、この建物を優勝の原因とは言えない。まず変わるのは、選手とスタッフが毎日顔を合わせる動線である。
