ファンが先に企画した BVBの博物館で客席の歴史が主役になる
ドイツのボルシア・ドルトムント、通称BVBの本拠地には、クラブ博物館「BORUSSEUM」がある。最初の構想を描いたのはクラブのファン部門だった。展示では優勝杯と並んで、客席の歌、応援、社会との関わりが大きな場所を占める。
博物館を望んだのは、ファンだった
ファン部門が最初の構想をまとめ、クラブの伝統を扱う作業部会が本拠地北東角の場所を見つけた。BORUSSEUMは2008年12月19日、クラブ創設99周年の日に開館した。ファン文化は博物館の発案と準備に組み込まれていた。
模擬スタンドで歌い、最後に優勝杯を見る
欧州のサッカー史教育プロジェクト「Football Makes History」は、BORUSSEUMをファンと応援文化が中心の博物館として紹介する。館内の模擬スタンドでは、来館者が応援歌のカラオケを体験できる。優勝杯は最後の展示室に各大会一つずつ置かれる。客席の日常をたどった先に、競技成績が現れる順番だ。
約10年後、同じ場所で展示を作り直した
開館から約10年後、クラブは博物館を全面改装した。場所は本拠地の北東角に残し、内容、物語の組み立て、展示技術を更新した。発案したファンの視点を引き継ぎながら、選手、役員、客席が重ねた歴史を新しい資料と演出で結び直した。
1月27日、博物館が記憶の日の会場になる
BVBは毎年1月27日、アウシュヴィッツ強制収容所の解放を記憶する行事を開く。ドイツサッカー連盟は2023年、ナチズムに抵抗したドルトムントの女性たちを扱う展示がBORUSSEUMで始まったと紹介した。博物館はクラブの勝利と同じ空間で、街の迫害と抵抗の歴史も伝える。
スポンサーから独立した展示室
クラブ公式によると、BORUSSEUMはスポンサーから独立し、展示空間に広告を置かない。ユニフォームやスタジアムには企業名が並ぶ一方、博物館ではファン、選手、役員が重ねた歴史を広告のない環境で読む。ファンが始めた博物館は、展示物の種類と語り手の視点を同時に選んでいる。
