U-18の4人を補償金なしで失った クイーンズ・パークが152年目に選んだプロ化
スコットランド最古のサッカークラブ、クイーンズ・パークFCは、1867年から選手を無給とし、2019年までその原則を守った。転機の直前、U-18は国内ユース杯の準決勝へ進んだが、4選手がプレミアシップ勢と契約し、クラブには補償金が入らなかった。会員は規約を変え、プロ契約を選んだ。
1867年、無給をクラブの原則にした
クイーンズ・パークは1867年7月9日、スコットランド最大都市グラスゴーで創設された。選手に報酬を払わず、ラテン語の標語「Ludere Causa Ludendi」を掲げた。英語では「To play for the sake of playing」。競技そのものを目的にする姿勢を、運営の原則に置いた。
1900年にリーグへ入り、無給のままプロクラブと戦った
クラブは1890年に始まったスコットランド・リーグへの参加を一度見送り、1900年に加わった。その後も自クラブの選手は無給だった。プロクラブと同じ大会を戦いながら、選手登録と報酬だけは創設時の原則を保つ。その状態が1世紀以上続いた。
U-18の4人が去り、補償金は入らなかった
2018-19シーズン、トップチームは4部相当のリーグ2で10クラブ中7位だった。無給でプレーするシニア選手の確保が難しくなり、下部リーグ降格の危険も近づいた。一方、U-18はスコティッシュFAユースカップ準決勝へ進んだ。そのチームから4人がプレミアシップのクラブと契約し、クイーンズ・パークは補償金を受け取れなかった。育成の成果をトップチームと収入へつなぐには、選手と契約できる制度が必要になった。
会員の91%が規約変更を選んだ
規約の変更には、投票した会員の75%以上の賛成が必要だった。2019年11月14日の総会では91%が支持し、選手への報酬とプロ契約が認められた。152年続いた原則を変える判断に、会員の明確な多数が加わった。
フルタイム選手と育成年代の契約が始まった
ウィリー・ハウギー卿の支援を受け、クラブはフルタイム選手を抱えられるようになった。育成年代とも契約を結び、2023年にはスコットランド協会のエリート育成資格を得た。トップチームは2020-21シーズンにリーグ2を制し、翌季も昇格した。プロ化後の記録には、シニアの強化と育成の制度化が並んでいる。
