30か国8000人を、得点だけでは測らない インテルが6地域で試した社会事業の評価
インテル・ミラノの社会事業「インテル・キャンパス」は、2022年11月時点で30か国127地域に広がり、毎週8000人を超える子どもが参加していた。その広がりを参加者数だけで語らず、アンゴラなど6つの事業では、学校との関係や、暴力・飲酒・薬物を避けた経験まで尋ねた。30か国を同じ順位表に並べない評価だった。
ゴールを数える前に、現地の指導者を育てる
インテルはイタリア北部ミラノを本拠とするクラブだ。完全子会社のインテル・フトゥーラを1996年に設立し、翌1997年にインテル・キャンパスを始めた。子どもの遊ぶ権利を支えながら、現地の団体と組み、地域で活動する指導者を育てる。トップチームの知名度を運ぶだけでなく、現地の大人が継続して子どもに関われる形を選んだ。
「毎週8000人」は、累計人数ではない
クラブの2022年11月資料では、250人の指導者・教育者が、30か国127地域で毎週8000人超に関わっていた。8000人は開始以来の累計でも、年間の延べ参加回数でもない。その時点で毎週参加していた子どもの規模だ。2026年4月の資料は、活動国を引き続き30か国、現地スタッフを約300人とする。250人と300人は資料の時点と呼び方が違うため、増加率には置き換えない。
アンゴラとボスニアを、同じ質問で比べなかった
2021年の影響評価が選んだのは、アンゴラ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、カンボジア、コロンビア、イスラエル/パレスチナ、メキシコの6事業だった。教育、分断された社会での対話、飲酒や薬物の予防など、土地ごとに課題が違う。イタリア北東部にあるパドヴァ大学の人権研究機関が協力し、子どもや現地指導者への質問票、聞き取り、グループ対話を使った。
学校の満足度から、暴力を避けた経験まで
査読研究が確認した報告項目には、学校へ通う満足度、教師との関係、学校成績、活動に関わったことで暴力・飲酒・薬物を避けたと答えた子どもの割合がある。最後の項目は子どもの自己申告であり、プログラムだけの効果を証明する数字ではない。評価項目も事業ごとに異なる。全30か国を一つの尺度で順位づけする調査ではなかった。
2026年、国連で話したのも「地域に合わせる方法」だった
2026年4月、インテル・キャンパスはニューヨークの国連本部で成果と現場経験を紹介した。パレスチナでは、トラウマを経験した子どもに教育者と異文化心理の専門家が関わる研究ベースの方法を説明している。8000人という規模は活動の入口にすぎない。子どもが暮らす場所によって問いを変え、その答えを現地の大人と拾うことが、この事業の評価を特徴づけている。
