一人一票のクラブが200万ポンドを集めた FCユナイテッドの本拠地建設
マンチェスター北部モストンのブロードハースト・パークは、総工費630万ポンドのサッカー場だ。FCユナイテッド・オブ・マンチェスターのファンは、そのうち200万ポンドをコミュニティ株式で集めた。大口出資者にも票を上乗せせず、公共助成や融資と組み合わせて2015年の開場まで進んだ。
買収への反発を、会員制クラブへ変えた
FCユナイテッドは2005年6月14日、マンチェスター・ユナイテッドをグレイザー家が買収した直後に発足した。出発点には買収と商業化への反発があった。同時に、手頃な入場料、地域活動、会員が運営へ関わる仕組みを自分たちのクラブで実行する目的も掲げた。最初はベリーの本拠地を借り、10年後に自前の会場へ移った。
出資額が増えても、票は一つ
クラブは地域社会の利益を目的とするコミュニティ・ベネフィット・ソサエティとして運営される。共同所有者になった会員は、理事を直接選び、クラブの規則や重要事項へ一人一票を投じる。2015年の取材には6桁ポンドをコミュニティ株式へ出した会員も登場するが、票数は一つのままだった。資金調達と意思決定の力を切り分けた点が、この建設計画の土台になった。
200万ポンドが、助成と融資を呼び込んだ
クラブ公式によると、ファンはコミュニティ株式で200万ポンド、別の募金で100万ポンド近くを集めた。スポーツ・イングランドは91万8000ポンドを助成。マンチェスター市は75万ポンドの助成と50万ポンドの商業条件による融資を用意し、フットボール財団も競技場とピッチへ資金を出した。200万ポンドは建設費の全部ではなく、地域利用を条件とする公的資金へつなぐ自己資金になった。
4900人の本拠地を、地域が毎日使う
現在の会場案内は収容4900人。2015年のクラブ紹介にある4400人は開場時の説明で、二つの数字は対象時点が異なる。屋根付きの客席に加え、人工芝、会議室、催事スペースがあり、地元住民が毎日使う施設として案内されている。会員は投票でクラブの方向を決め、建設資金はサッカー場を地域の共有設備へ広げた。
