19

45分を数えたらFAに止められた アーセナルの時計が「Clock End」を残すまで

アーセナルの旧本拠地ハイバリーには、試合の45分を数える大時計があった。イングランド・サッカー協会(FA)は、その表示が審判の計時を損なうとして止めた。クラブは時計を外さず、普通の時刻表示へ変えた。45分表示は短命に終わったが、時計を置いたゴール裏の「Clock End」という名は新本拠地にも残った。

最初の文字盤は、一周で45分だった

1930年9月、アーセナルはロンドン北部の旧本拠地ハイバリーに大時計を置いた。場所は北側ゴール裏のランドリー・エンド。一周で45分を示し、前半と後半の経過を観客へ伝える時計だった。サポーター団体AISAの資料によると、FAは審判の公式計時を損なうとして撤去を命じた。クラブは機械を外す代わりに、文字盤を通常の時刻表示へ変えた。

1935年の移動で、南側がClock Endになった

1935年、北側スタンドの一部を屋根で覆う工事に伴い、時計は南側のカレッジ・エンドへ移された。その場所はやがてClock Endと呼ばれる。英国の歴史的環境を記録する公的機関Historic Englandは、時計が1930年に北側へ設置され、1935年に南側へ移り、1988-89年のスタンド改築時には交換用の時計が置かれたと記録する。「最初の時計がそのまま残った」という話ではない。

旧本拠地が閉じても、時計と名前は移った

ハイバリーは2006年に閉場した。AISAによると、同年7月27日にハイバリーの時計が新本拠地エミレーツ・スタジアムの壁へ移され、2010年には旧時計の意匠をもとにした新しい時計が場内に掲げられた。現在の公式来場案内にもClock End Bridgeという入口名が載る。1930年の時計と2006年に移された時計が、どこまで同じ部品を受け継いだかは資料から分からない。それでも、規制に合わせて表示を変えた時計が、スタンドと入口の名を残した経緯はたどれる。

参考記事Arsenal — The Arsenal Clock down the yearsArsenal — Herbert Chapman's Arsenal, 100 years onHistoric England — The Clock End recordAISA — The Arsenal clock and the Clock EndArsenal — Emirates Stadium matchday guide