胸広告なのに、クラブが年150万ユーロを払った バルセロナとUNICEFが逆さにしたスポンサーの常識
ユニフォームの胸は、企業がクラブへ広告料を払う場所として定着していた。2006年のFCバルセロナは、UNICEFの名を載せ、自分たちが年150万ユーロを拠出した。社会貢献とブランドづくりが同じ契約に入ったことで、胸の価値をめぐる問いも変わった。
2006年9月7日、国連本部で合意した
FCバルセロナは、スペイン北東部カタルーニャ州のクラブだ。クラブ理事会と財団は2006年9月7日、ニューヨークの国連本部でUNICEFと合意した。UNICEFは、子どもの権利、保健、教育などを支える国連児童基金。トップチームのシャツに載る最初の組織名がUNICEFとなり、クラブは毎年150万ユーロを寄付した。通常収入の0.7%を財団へ回す方針も同じ時期に定めた。
1900万ポンドの提案より、支払う契約を選んだ
英紙Guardianは2009年、当時の副会長アルフォンス・ゴダイの説明として、オンライン賭博会社bwinから年1900万ポンドの提案を受けたと報じた。クラブはその収入を選ばず、UNICEFへ年150万ユーロを出す5年契約を結んだ。ゴダイは同時に、提携がバルセロナのブランドにも役立つと認めている。寄付と知名度向上は、契約の中で並んでいた。
100万人、200万人、300万人は発表した年が違う
提携10周年の2016年、クラブは支援が7か国の100万人超へ届いたと発表した。2019年のUNICEFとの共同調査は、2006年以降の事業支援を1900万ユーロ、到達した子どもを7か国で200万人超とまとめた。2022年のクラブ発表では300万人超へ増えている。数字は同じ時点の別集計として並んだものではなく、年月の経過に伴う累計の節目だ。
胸から背中へ移っても、共同事業は続いた
バルセロナは後に商業スポンサーも受け入れ、UNICEFのロゴはシャツの背面へ移った。2016年の更新では、年の拠出額を150万ユーロから200万ユーロへ増やす方針が示された。2006年の契約は商業化を止め続ける宣言にはならなかった。それでも、広告枠を寄付と事業へ結びつけた選択は、クラブの社会活動そのものを世界へ伝える媒体に変えた。
