キックオフ地点の延長線に祭壇がある シャルケの礼拝堂が25年続く理由
シャルケ04の本拠地フェルティンス・アレーナには、選手入場口とキックオフ地点の延長線上に礼拝堂がある。2001年8月12日に開かれ、2026年で25年。試合前の祈りだけでなく、洗礼、結婚、追悼、仕事や病気の相談を受け入れてきたことが、競技場の一室をクラブの日常にした。
地下2階で、ピッチへ向かう線と重なる
フェルティンス・アレーナは、ドイツ西部ゲルゼンキルヒェンにあるシャルケの本拠地だ。礼拝堂は地下2階、ロッカールームや取材用のミックスゾーンの近くに置かれた。選手入場口からセンタースポットへ向かう線を後ろへ延ばすと祭壇に届く。芸術家アレクサンダー・ヨキッシュは、内装を黒と白でまとめた。青と白のクラブカラーを外し、プロテスタントとカトリックの双方が使える空間にした。
約30席に、50〜60人が入ることもある
カトリック教会の案内は礼拝堂を約30席とし、通信社dpaの記事は50〜60人が入れる広さと伝える。前者は座席数、後者は入室人数なので、同じ部屋の別の数え方だ。これまでに2000人を超える子どもが洗礼を受け、結婚式や結婚記念の祝福は約700件に達した。ホームゲームの週末や大規模イベントの日を避けながら、式の日程を組んでいる。
キックオフ3時間半前から、牧師が入口に立つ
牧師エルンスト=マルティン・バルトは2013年10月から礼拝堂の責任を担い、1990年からのシーズンチケット保持者でもある。試合日はキックオフの約3時間半前から礼拝堂前に立つ。訪ねるのはファン、選手、職員、育成寮の若者たち。がんや仕事の悩み、プロ契約をめぐる重圧が話題になる。dpaは、エディン・ジェコが初訪問で心を動かされ、ケヴィン・クラニーが繰り返し足を運んだとも伝えている。
勝点を求める場所から、勝敗を離れて話す場所へ
バルトは、神を「勝点3を出す機械」のようには扱えないと説明する。両チームが祈る試合で、祈りが結果を決めるという話にはならないからだ。礼拝室からサッカーの装飾を減らしても、ユニフォーム姿の人が悩みや節目を持ち込む。25年続いた理由は、勝利を願う儀式より、クラブに集まる人の人生を試合の外でも受け止めてきた時間にある。
