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新加入選手だけを映さない ASローマが移籍動画に行方不明の子どもを載せた理由

ASローマは2019年、新加入選手を発表する動画へ行方不明の子どもの情報を組み込んだ。注目が集まる移籍市場の映像を、捜索情報の入口にも使う試みだ。2021年7月までに掲載した150件超のうち10人、同年8月までに12人が無事に見つかったと報告された。

移籍動画の注目を、捜索情報へ分けた

イタリアの首都ローマを本拠とするASローマは、2019年6月30日に企画を始めた。発想の手がかりは、米国のバンドSoul Asylumが1993年に発表した『Runaway Train』の映像だった。行方不明者の写真を音楽と共に映した作品だ。クラブは米国のNCMECやイタリアのテレフォノ・アズーロなど専門団体と組み、団体が確認した情報を移籍発表の後半へ載せた。

2021年7月までに10人、8月までに12人

クラブは2021年7月22日、150件を超す掲載から10人が無事に見つかったと発表した。Guardianは同年8月28日、確認できた人数が12人になったと報じた。10と12は集計の食い違いではなく、約1カ月離れた時点の記録だ。捜査と情報更新は専門団体と警察が担い、クラブは確認済みの情報を大勢の視聴者へ届けた。

200超のクラブ、4億人超のフォロワーへ広がった

2020年5月25日の国際行方不明児童デーには、200を超すクラブが企画へ加わった。参加クラブのSNSフォロワーは合計4億人超。18本の動画が21カ国、101人の子どもを扱い、再生は約100万回だった。4億は実際に見た人数ではなく、参加クラブが持つアカウントの合計規模だ。約100万回の再生数と分けると、届く可能性と実際の視聴を混同せずに読める。

顔と名前は、専門団体の更新先に置く

捜索情報は、発見や家族の意向によって状態が変わる。見つかった後も古い画像が拡散し続ければ、本人のプライバシーに影響する。ローマが専門団体と組んだ意味は、注目だけを集めることではなく、情報の確認と更新を捜索の窓口へつないだ点にある。移籍動画の大きな拡散力は、誰の情報を、どの時点で伝えるかという責任と一組になった。

参考記事AS Roma — launch of the missing-children transfer campaignAS Roma — the 2020 Football Cares campaign with more than 200 clubsAS Roma — July 2021 update on ten children found safeThe Guardian — the reported total reached twelve in August 2021