肉を売らず、雨水で芝を育てた FGRが女子チームを止めた2026年の判断
フォレスト・グリーン・ローヴァーズ(FGR)は、イングランド南西部グロスターシャー州ネイルズワースのクラブだ。スタジアムで肉を出さず、雨水を芝へ戻し、太陽光で電力の一部をつくる。環境対策は日々の運営に入っている。そのFGRが2026年、女子チームを1シーズン置かないと決めた。同じクラブで、何が続き、何が止まったのか。
厨房とグラウンド担当の仕事を変えた
FGRは選手と観客の双方に植物性の食事を用意する。ホームゲームで売るメニューもヴィーガンだ。ヴィーガンは、肉、魚、乳製品など動物由来の食品を使わない考え方になる。
芝の管理も変えた。クラブ公式ページによると、ピッチで雨水を集め、散水に再利用する。敷地は化学薬品や農薬を使わずに管理し、太陽光設備は年間電力需要の約20%を担う。
食事、散水、除草、電力。環境方針はスローガンの外へ出て、厨房やグラウンドで繰り返す作業になった。
42%減と3%減は、母数が違う
国連気候変動枠組条約(UNFCCC)が2018年に紹介した実績では、観客1人当たりのカーボンフットプリントが2011-12シーズンから42%減った。一方、クラブ全体の絶対量は2017年以降3%減とされる。
42%は観客数で割った値で、総排出量の減少率は3%だ。来場者が増えれば、1人当たりが下がっても全体の減り方は小さくなりうる。
同じ資料には、2016-17シーズンに水道使用量の8%超に相当する水を再利用し、2017-18シーズンには廃棄物を14.7%減らしたともある。いずれも当時の期間を示す実績で、2026年の現在値としては扱えない。
一つの称号より、設備と手順の束
UNFCCCはFGRを世界初のカーボンニュートラルなサッカークラブとして紹介している。取り組みとして挙げたのは、太陽光発電、電気自動車の充電設備、水の再利用、電動芝刈り機、有機管理のピッチ、選手と観客向けのヴィーガンメニューだ。
称号を得た後も、クラブは排出量の測定を続け、2030年までに50%削減する目標を掲げている。
FGRの特徴は、一つの製品やイベントに頼らず、会場の設備と運用手順を組み合わせたことにある。試合がない日にも必要な水、電力、芝の手入れまで対象にした。
女子チームを止め、男子のEFL復帰を優先した
2026年6月30日、FGRは2026-27シーズンに女子チームを置かないと発表した。9歳から16歳の女子を対象にしたハートプリー大学とのエリート育成センターからも退く。ハートプリー大学は、グロスターシャー州でスポーツ教育を行う大学だ。
クラブは大学との共同チーム案が成立せず、男子チームをイングリッシュ・フットボールリーグ(EFL)へ戻すために資源を集中すると説明した。7月3日、会長デイル・ヴィンスは、ナショナルリーグで3季目を迎えて150万ポンドの収入減に直面し、女子チームの単独運営には6桁ポンドの費用がかかると述べた。どちらもクラブ側が示した数字だ。
The Guardianによると、女子チームは前季、イングランド女子5部の地域リーグで2位だった。首位トーキーとの差は1ポイントで、リーグ戦の敗戦は1試合だけ。成績不振による休止ではなかった。
クラブはEFLへ復帰後に女子、女子育成、男子育成の各プログラムを戻す計画を示す一方、時期は決めていない。FGRでは環境運営が続き、女子チームは止まった。「持続可能」という看板の下でも、守られた活動と削られた活動が分かれた。
