なぜ本物のヤギがホームゲームに来る? ケルン9代目「ヘネス」の仕事と暮らし
1.FCケルンのエンブレムには、大聖堂の上にヤギが立つ。始まりは、絵より先にいた本物のヤギだ。1950年2月13日、クラブのカーニバル行事で贈られ、選手兼監督ヘネス・ヴァイスヴァイラーの名を受けた。現在は9代目がケルン動物園で暮らし、健康確認を受けてホームゲームへ通う。
カーニバルの贈り物が、クラブの顔になった
1950年2月13日、サーカス・ウィリアムズがクラブ2回目のカーニバル行事でヤギを贈った。ケルンのカーニバルは、仮装やパレードで街が盛り上がる大きな祭りだ。
その夜、ヤギは当時の選手兼監督ヘネス・ヴァイスヴァイラーにちなみ「ヘネス」と名付けられた。やがてヤギはエンブレムに入り、チームの愛称も「雄ヤギたち」を意味するディー・ガイスベッケになった。2025年2月13日、初代ヘネスは75周年の日にクラブ殿堂入りしている。
9代目の家は、スタジアムより動物園
ヘネス9世は2018年2月24日生まれ。ドイツで飼育される有色のヤギ品種で、同年8月からケルン動物園で暮らす。2019年8月4日にファンへ披露され、同月23日のボルシア・ドルトムント戦でホームゲームに初参加した。
動物園には、ヘネスと仲間が暮らす「小さなガイスボックハイム」がある。ガイスボックハイムはクラブ練習拠点の通称だ。動物園は囲い1平方メートル分を支える年間150ユーロの協賛も受け付ける。150ユーロは1年間の飼育環境を支える寄付額で、ヤギの購入価格とは別だ。
伝統を続ける条件は、健康と試合運営
クラブ公式によると、初代は遠征にも同行した。後に動物福祉、移動、ドイツサッカー連盟の規則を踏まえ、基本的な出番はホームゲームと地域の親善試合に絞られた。9代目も予防接種と健康確認を受けて動物園の外へ出る。
2020年、感染対策下でリーグが再開すると、会場周辺へ入れる関係者は約300人に制限された。Reutersは、歴代ヘネスを通じて12年ぶりの欠席だったと報じた。2015年には選手が8代目の角をつかみ、動物福祉団体から批判も受けた。
本物の動物をクラブ文化に迎えると、健康、移動、接し方まで運営の仕事になる。ヘネスは試合の飾りよりも、75年以上続く伝統を毎回安全に引き継ぐ存在だ。
