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クラブ名を生んだ喫茶店を、クラブが39年後に復活 松本山雅「山雅」の61年

松本山雅FCの「山雅」は、1965年に松本駅前へ開いた喫茶店から来た。国体の長野県選抜を中心とする選手たちが店に集まり、その名前でチームをつくった。店は1978年に閉じたが、クラブ名は残る。2017年、今度はクラブが喫茶山雅を街へ戻した。名前が店からチームへ渡り、再び店の看板になるまでの61年をたどる。

1965年、喫茶店の常連がチームをつくった

初代の純喫茶山雅は1965年、松本駅前に開いた。店主が山を好み、「山」と「優雅」を組み合わせて店名を付けたという。

同じ年、国体サッカー長野県選抜の選手を中心にチームが結成された。選手たちは店の常連で、集まる場所の名をチームに使った。Jリーグのデジタルデータブックも、この喫茶店をクラブ名の由来として記録している。

企業や学校の名を引き継いだクラブとは出発点が違う。松本では、選手が普段通う店の看板が、そのままチームの呼び名になった。

店は13年で閉じ、名前はJリーグまで進んだ

喫茶山雅は1978年、松本駅前の再開発に伴って閉店した。開店から13年だった。チームは活動を続け、2004年にNPO法人を運営母体として再出発する。2012年にJリーグへ入り、2015年にはJ1へ昇格した。

店の建物が消えた後も、「山雅」は約40年にわたってクラブ名として使われた。J1昇格とクラブ設立50周年が重なった2015年、喫茶店を復活させる案が具体化する。新しい店が開いたのは2017年2月25日。閉店から39年後だった。

昔の店を複製せず、味と資料を引き継いだ

新しい喫茶山雅は、元の駅前から松本城に近い大手4丁目へ移った。2階建てで、カフェ、グッズ売り場、イベントスペースを備える。

コーヒーは二つ用意された。「Traditionalブレンド」は旧店主・山下忠一さんの娘、山下恵子さんが監修。「New Yamagaブレンド」は新しい店の味として生まれた。店内には歴代ユニフォームや写真も並ぶ。

建物を昔の形へ戻すより、当時を知る人の味覚と、クラブが集めた資料でつながりを残した。旧店を知らないサポーターも、名前の起点に触れられる。

6000万〜7000万円の規模を、支える人の仕事で組み立てた

復活を企画したクラブ営業スタッフの小澤修一さんは、通常価格なら改修に6000万〜7000万円ほどかかる規模だったと2017年の取材で説明した。これは一般的な見積もりの目安だ。クラブが支払った総額とは分けて読む必要がある。

実際の工事では、クラブを支える事業者が工事や什器を助け、左官職人もボランティアに近い形で加わったという。開店後の喫茶山雅は、飲食店、公式ショップ、イベント会場、アウェー戦の観戦場所として使われてきた。

選手の集まる店から始まった名前を、クラブが支える人たちと店へ戻す。喫茶山雅の復活は、クラブ史を展示するだけで終わらず、街で再び営業する場所をつくった。

参考記事Matsumoto Yamaga FC — Kissa YamagaMatsumoto Yamaga FC — club historyJ.League Digital Data Book — club name and chronologyMatsumoto City tourism — current Kissa YamagaSports Navi — interview with the people behind the 2017 revival