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名前入りの家族席も移動対象に マンU「今回600人、累計1100人」の内訳

情報確認日: (JST)

トニー・ライリーの席には、自分の名前が刻まれている。それでも、2026-27季のホスピタリティ区画拡大に伴う移動対象になった。家族がマンチェスター・ユナイテッドの本拠地オールド・トラッフォードで同じ席を使い始めたのは1949年。今回の追加対象は約600人で、2024年2月以降の累計見込みが約1100人だ。二つの数字を分けると、監督席に近い一般席を飲食付き商品へ替える判断が、長年そこへ通う家族にどう及んだのかが分かる。

名前入りの席を、1949年から家族で使ってきた

ライリーは76歳。家族がこの席を使い始めた1949年は、ユナイテッドが第二次世界大戦中の爆撃で損傷したオールド・トラッフォードへ戻った年でもある。

義父のローリー・キャシディは1940年代後半、マット・バスビー監督の下でユナイテッドのトップチームに出場した。その後は小学校長としてノビー・スタイルズとブライアン・キッドを教え、クラブでも若手を支えた。デイヴィッド・ベッカムの育成期にも関わっている。座席の使用歴と、家族がクラブで担った仕事が同じ時代から続いていた。

ライリーはいまも、バーミンガム近郊のサットン・コールドフィールドからほぼ毎試合通う。往復180マイル、約290キロで、4時間近い道のりだ。名前が刻まれた席は、長距離移動のたびに戻る場所だった。

今回の約600人を足し、累計見込みは約1100人

2026年3月に示された追加の移動対象は約600人だった。対象は、監督席と選手ベンチに近いサー・ボビー・チャールトン・スタンドの一般席だ。The Guardianは、ジム・ラトクリフがクラブ経営に加わった2024年2月から2026-27季の開幕までに、ホスピタリティ拡大で移動対象となる人数が累計約1100人になると報じた。

約600人は今回分、約1100人は複数季を合わせた見込みだ。どちらも2026年3月の計画を伝える数字で、9月11日時点の実移動完了人数を改めて集計した発表ではない。

クラブは移動に不便さと感情的な負担があると認め、家族やグループを一緒に移す方針を示した。ライリーが提示された候補では、息子と隣り合えなかった。2026-27季はすでに始まっているが、本人が最終的に選んだ席は公開資料で確認できない。

一試合315ポンドと、一季646ポンド

ライリーが座っていた区画は、飲食付きの商品へ組み込まれた。1人315ポンドのプランは、ゴードン・ラムゼイが手がけるマンチェスターのレストラン「ラッキー・キャット」での3品料理と良席を組み合わせる。425ポンドのプランには、クッション付きの席、シャンパン、ソムリエが選ぶワインなどが付く。どちらも一試合分の価格だ。

同じ2026-27季で、最も安い大人のシーズンチケットは646ポンドだった。こちらは一季を通じて同じ席を使う券で、飲食付きの一試合商品とは売っている内容も期間も違う。315ポンドと646ポンドをそのまま比べれば、差の理由を取り違える。

一般のシーズンチケットも5%上がった。11年間の価格据え置きが終わってから4季連続の値上げとなり、クラブは大人で平均一試合2ポンド強の増額だと説明した。

クラブの費用説明と、MUSTの反対

ユナイテッドは一般のシーズンチケットを値上げした理由として、チームと施設への投資、物価上昇、運営費、財務の持続性を挙げた。これは一般券の価格改定についての説明だ。ライリーの区画では、良い観戦位置に料理や接待を付けた商品を販売する。

ファン団体のマンチェスター・ユナイテッド・サポーターズ・トラスト(MUST)は、本人が望まない移動へ反対してきた。今回も、家族や長年の観戦仲間が分かれるおそれを指摘した。ライリーの事例では、クラブが「一緒に移す」と説明しても、提示された席で息子と隣席になれないという食い違いが起きた。

2026年9月11日までの公開資料で確定しているのは、名前入りの家族席がホスピタリティ拡大の対象となり、ライリーが移動を求められたところまでだ。今季どの席に座り、息子と隣り合えたのかは公表されていない。

参考記事The Guardian — a family seat used since 1949 is reassigned to VIP hospitalityThe Guardian — Manchester United's 2026-27 ticket prices and relocationsReuters — Manchester United's 2025-26 season-ticket price increase