ステーブリーが25.1%で合意した後、既存株主が動いた ウェストハム46%の決まり方
情報確認日: (JST)
アマンダ・ステーブリーは2026年7月、デイビッド・ゴールド家が持つウェストハム株25.1%を買うことで合意していた。ところが9月4日、クラブが単独最大株主になると発表したのは、すでに27%を持っていたダニエル・クレティンスキーだった。外部への売却案を受け、既存株主が優先購入権を使ったからだ。合意後の持分はクレティンスキー46%、デイビッド・サリバン40%と報じられた。クレティンスキーは最大株主になるが、過半数には届かない。
最初の27%で、すでに取締役になっていた
クレティンスキーはチェコの実業家で、英国の郵便会社ロイヤル・メールを所有し、チェコ1部スパルタ・プラハを共同所有する。ウェストハムには2021年11月、投資会社1890s Holdings(1890sホールディングス)を通じて入った。27%を取得し、同僚のパベル・ホルスキーと取締役になった。
当時はサリバンが38.8%、共同会長デイビッド・ゴールドが25.1%、米国の投資家トリップ・スミスが8%、そのほかの株主が合わせて1.1%を持っていた。クレティンスキーは2番目に大きな株主として、取締役会にも席を持った。9月に増えるのは、5年前から経営に加わっていた株主の持分だ。
6月の「約43%」は成立しなかった
2026年6月、クレティンスキー側はゴールド家の株式を買い、27%から約43%へ増やすことで合意した。この数字は、実際に到達した持分としては扱えない。9月4日のReutersは、その先の取引が破談になったと報じている。
同じ6月、サリバンは共同会長と取締役を辞任した。The TimesとBBCの番組Panoramaが、女性7人による性的な不正行為の訴えを報じた後だった。サリバンは疑惑を全面的に否定している。取締役の席を離れた後も、38.8%の株式は持ち続けた。
6月の合意が成立しなかったため、ゴールド家の25.1%には別の買い手が現れた。それが、元ニューカッスル取締役のステーブリーだった。
7月の外部売却案が、既存株主の権利を動かした
ステーブリーのグループは7月、ヴァネッサ・ゴールドと25.1%の取得で合意した。これで売却先が決まったように見える。実際には、この合意を受けて既存株主が優先購入権を行使できる手続きが始まった。売りに出た株式を、外部の買い手へ渡る前に取得する機会だ。
クレティンスキー、サリバン、スミスらがその手続きで持分を増やした。The Guardianは、クレティンスキーがサリバンとも合意し、サリバン保有分の一部も取得する組み合わせだったと報じている。公表資料からは、ゴールド家の株式が各人へ何ポイントずつ渡ったかまでは分からない。分かるのは、ステーブリー案が既存株主の優先権を開き、最終的にクラブ内の株主同士で新しい比率をつくったことだ。
46%と40%、株式と取締役の席は別々に動いた
合意後の構成は、クレティンスキー46%、サリバン40%、スミス11%、そのほかの株主が合わせて3%と報じられた。ヴァネッサは共同会長と取締役を離れ、小口株主として残る。クラブがクレティンスキーに使った呼び方は「単独最大株主」。46%は最も大きい持分だが、過半数の50%超ではない。
ヴァネッサは、クレティンスキーがクラブの意思決定で以前より積極的な役割を担うと説明した。ウェストハムは2025-26シーズンにプレミアリーグから降格し、13季ぶりに2部チャンピオンシップを戦っている。クラブの立て直しに誰が深く関わるかは変わる。40%を持つサリバンは取締役ではないままだ。
クラブが9月4日に公表したのは株式取得の合意だった。The Timesは完了を9月末までの見込みと報じており、9月11日時点で完了日を示す追加発表は確認できない。最大株主の席はクレティンスキーへ移る。その隣には、取締役を辞めても40%を持つサリバンが残る。これが、ステーブリーの25.1%案から決まったウェストハムの新しい並びだ。
