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薬代は対象外、保存料は5年分 スペイン代表の卵子凍結支援でRFEFが払う範囲

卵子を採取して凍結する費用は連盟が払い、薬代は本人が負担する。保存料は採取から5年分までだ。スペインサッカー連盟(RFEF)が2026年9月8日に発表した支援は、女子代表なら招集歴、審判なら担当リーグで対象者を区切る。体外受精なども協定に入るが、同じ費用負担ではない。誰が何を使え、連盟の支払いがどこまで続くのかを分けると、この制度で変わることと、クラブ側に残る課題が分かる。

代表は2回の招集、審判は女子1部が対象

RFEFの提携先は、マドリードとアリカンテに拠点を置く生殖医療機関タンブレ。協定は2029年春まで続く。利用するかどうかは本人が決める。

El Paísが報じた卵子凍結の条件は、女子A代表なら2025年12月以降に2回以上の招集、女子フットサル代表なら協定が動き始めた2026年4月以降に2回以上の招集だ。女子1部の主審と副審は全員が入る。発表時点の対象者は100人弱で、協定期間中に条件を満たす選手や審判も加わる。

ここでいう100人弱は、治療を受けた人数ではない。条件を満たした選手と審判の合計で、9月12日時点の利用者数は公表されていない。

薬代と6年目以降は本人が払う

卵子凍結では、採取と凍結にかかる費用をRFEFが負担する。El Paísによると、治療に使う薬は対象外。凍結後の保存料は採取から5年間までで、6年目以降も保存を続けるなら本人が払う。

体外受精、卵子提供、遺伝子検査も協定に含まれる。ただし、公表されたのは提携による便益であり、RFEFが全費用を負担すると確認できるのは卵子凍結の範囲だ。連盟の職員も、自分またはパートナーのために情報や他の治療の便益を使える。選手・審判向けの卵子凍結費用と、職員まで含む広いサービスを同じ扱いにはできない。

凍結した卵子が将来の出産を保証することもない。英国の生殖医療規制機関HFEAは、結果が年齢などに左右され、将来子どもを持てるという保証にはならないと案内している。RFEFが用意したのは費用と保存期間で、治療結果ではない。

歓迎した3人と、契約保護を求めたペレテイロ

発表にはスペイン代表のオルガ・カルモナとパトリ・ギハーロ、女子1部審判のアリシア・エスピノサが出席した。カルモナは、母になる時期と方法を決める手段が一つ増えたと受け止めた。ギハーロは、競技生活と私生活のどちらかを諦める状況を減らす取り組みとして評価した。エスピノサも、年齢を考えながら競技を続ける際の圧力を軽くすると話した。

発表前に計画が報じられた段階で、陸上三段跳びの五輪メダリスト、アナ・ペレテイロは違う順番を求めた。2人の子どもを育てながら競技を続けるペレテイロが挙げたのは、妊娠中の契約保護、産後の回復期間、競技復帰、保育への支援だ。延期する方法が目立つことで、現役中に妊娠しないよう圧力がかかることを懸念した。

女子選手組合FUTPROのマルタ・ペラルナウ会長は、決定権が本人にあるなら前向きだと評価した。元レアル・ソシエダ主将のラライツ・ルーカスも支援を歓迎しながら、20代で出産して競技を続ける条件の整備を求めた。治療そのものへの評価と、雇用・復帰支援の優先順位についての評価は分かれている。

子どもを連れて代表活動へ入る仕組みは2023年から

RFEFは、すでに子どもがいる代表選手には別の仕組みを設けてきた。2023年の女子ワールドカップでは、2歳未満の子どもとパートナーまたは養育者を大会期間中に近くへ呼び、選手が毎日一緒に過ごせる時間を確保した。家族の渡航費も支援した。

2024年パリ五輪では対象を男女の五輪代表へ広げた。選手の家族、友人、親しい人の渡航を助ける資金を設け、母親である選手は子どもとパートナーまたは養育者をチームの活動圏に迎えられた。自由時間を一緒に過ごすための運用だった。

卵子凍結の協定には、クラブとの契約、産後の回復期間、日常の保育を定める条項はない。今回RFEFが払うのは、条件を満たす選手と女子1部審判の採取・凍結費用から薬代を除いた部分と、5年分の保存料だ。子どもを伴う代表活動は2023年からの別制度で扱い、所属クラブでの契約保護や復帰支援は今回の協定の外に残る。

参考記事RFEF — Fertility-support agreement for players and refereesRFEF — Family-reconciliation plan for the Olympic teamsReuters — Spanish FA launches fertility-support programmeEl País — Coverage, eligibility and five-year storage detailsEl País — Athletes debate the balance between preservation and maternity supportHFEA — Egg freezing, success factors and limits