FIFAが承認しても、6月の2試合は非公式 アフガン女子が待つ「公式戦の一歩目」
アフガニスタン女子選手は、国内協会の登録がなくてもFIFA大会の公式戦へ進める資格を得た。ところが、承認後の2026年6月4日と8日にクック諸島と戦った2試合は、FIFAがあらかじめ「公式国際試合ではない」と明記していた。結果は0-1、0-3。4月28日の規則改正が解決したのは、国内協会が女子代表を登録できない時に、誰が代わってチームをつくれるかという問題だ。公式戦を実際に組む仕事は、9月12日時点でまだ残っている。
変わったのは、代表を登録できる主体
国際大会へ出る代表チームは、通常、その国・地域のサッカー協会が登録する。アフガニスタンでは2021年8月にタリバンが実権を握り、女性のスポーツ参加が止められた。選手の多くは国外へ逃れた。女子代表が最後に公式の国際競技試合を行ったのは2018年である。
FIFA理事会が2026年4月28日に承認した改正は、この行き止まりに限って登録の入口を変えた。加盟協会が代表を登録できない特別な事情がある場合、FIFA理事会は関係する大陸連盟と協議し、国の代表チームまたは代表選抜を設けて登録を承認できる。今回はアジアサッカー連盟(AFC)と進める。
国外の選手が自分たちだけで代表を名乗れる規則ではない。設置と登録を決めるのはFIFA理事会で、FIFAが運営、人員、技術、資金を支える。アフガニスタンサッカー連盟を経由できない問題を、FIFAが例外的に引き受けた。
2025年の23人と、2026年の23人は分けて見る
FIFAは規則を変える前の2025年5月、国外で暮らす選手に試合機会をつくる「アフガン・ウィメン・ユナイテッド」を始めた。監督は元スコットランド代表のポーリーン・ハミル。チーム名は選手が選んだ。
同年、オーストラリアとイングランドで3回の選考会を開いた。最初の23人はオーストラリア在住14人、英国5人、イタリアとポルトガル各2人だった。練習と試合に加え、カウンセリング、医療、安全確保、チームづくりの講習も用意された。最終メンバーから外れた参加者も支援を受けられた。
2026年には次の選考を行い、約90人へ個別支援を提供した。その中からハミルがニュージーランド合宿の23人を選んだ。約90人は代表の登録人数ではない。最初の23人と、翌年の合宿に選ばれた23人も、同じ名簿だとは公表されていない。離れた国で暮らす選手を探し続ける仕組みまでが、チーム運営に含まれる。
モロッコで3試合をしても、当時は公式代表ではなかった
チームは2025年10月、FIFA主催の「FIFA Unites: Women's Series」に出る予定だった。開催地はアラブ首長国連邦(UAE)のドバイ。しかし選手の査証が発給されず、FIFAは大会をモロッコへ移した。UAE代表に代わってチュニジア代表が参加した。
アフガン・ウィメン・ユナイテッドはチャド、チュニジア、リビアと戦い、最終戦でリビアに7-0で勝った。FIFAが認めて運営した国際大会だが、その時点ではアフガニスタンの公式代表としてワールドカップ予選などへ入れる立場ではなかった。チームとして試合をすることと、公式戦へ国名で登録されることの間に、規則上の空白が残っていた。
査証問題は別の難しさも見せた。複数国から集まる23人には、それぞれ渡航書類と経路が要る。FIFAは開催地と参加チームを直前に変えて大会を成立させた。代表を作る規則が整っても、安全に集合できなければキックオフには届かない。
承認後のクック諸島戦も「準備の試合」だった
4月の改正後、FIFAは次の合宿をニュージーランドで組んだ。相手はオセアニアサッカー連盟(OFC)加盟のクック諸島女子代表。試合は2026年6月4日と8日にオークランドで行われ、アフガン・ウィメン・ユナイテッドが0-1、0-3で敗れた。
日付だけを見ると、これが承認後の公式戦初戦に見える。FIFAの5月15日付案内は、2試合を「公式国際試合とは見なさない」と明記している。改正についても、将来の公式国際試合とFIFA大会へ進む道を開くものだと説明した。OFCの試合後記事も、2試合を同じ位置づけで伝えている。
したがって、6月の敗戦はチームの試合実績には入るが、2018年以来となる公式国際試合の再開ではない。承認日と公式戦初戦の日は同じにならず、今回の記事で最も分けておくべき点はここだ。
最初の公式戦は、まだ日程が出ていない
FIFAは移行期間中、選手への支援を最長2年間続け、新しい登録・運営体制を整えるとしている。2026年9月12日までにFIFAとAFCが公表した資料では、最初の公式国際試合の対戦相手と日程を確認できない。資格を認める決定は済んだが、公式戦の登録と開催はまだ実績になっていない。
アフガニスタン国内の状況も変わっていない。タリバン統治下で女性と女子はスポーツへ参加できず、国外の代表チームに入る選手を国内から継続的に育てる経路は確認できない。FIFAの改正が直接動かすのは、国外の選手が公式戦へ出るための登録制度だ。
4月28日に得たのは、国内協会の承認がなくてもFIFA理事会とAFCが代表を登録できる資格。6月4日と8日に積んだのは、非公式の2試合だった。次に記録すべき日は、FIFAが公式戦として対戦相手と日程を発表した日になる。
