9人に5年の寄宿奨学金 Right to Dreamがガーナで始めた女子の生活ごと支える育成
2013年、ガーナの育成組織Right to Dreamは、10~13歳の女子9人を寄宿型アカデミーへ迎えた。奨学金は5年間。練習だけでなく、学校と暮らしも支える枠だった。卒業後の道は、プロ契約だけに一本化されていない。
1000人超を見て、最初の9人を選んだ
Right to Dreamは、ガーナで始まったサッカー育成組織だ。ガーナ校は、首都アクラから北東へ離れた東部州オールド・アクラデにある。選手が通うだけでなく、同じ場所で暮らし、学ぶ寄宿型のアカデミーである。
女子部門が始まったのは2013年5月。現地報道によると、ガーナとコートジボワールで1000人を超す候補を見た後、6週間の寄宿選考を実施した。最後に選ばれたのが10~13歳の9人だった。全員に5年間の奨学金が与えられた。
5年は、練習回数ではなく生活の約束だった
9人という数字だけなら小さい。けれど、用意したのは短期キャンプの9枠ではない。住まい、学校教育、サッカー、人間形成をまとめて支える5年間の受け入れだった。
Right to Dreamの現在の説明でも、ガーナ校は11~18歳の生徒選手に、競技指導、教育、人格形成を組み合わせている。最初の女子9人も、サッカーの結果だけで次の道を決める仕組みではなかった。
初代主将は、米国で土木工学へ進んだ
最初の9人の一人、ルイーザ・エスマンは女子部門の初代主将になった。2016年に卒業し、米コネティカット州の寄宿学校へスポーツ奨学金で進む。大学ではサッカーを続けながら土木工学を学んだ。
2022年にはエジプト、2023年には米サンディエゴのRight to Dreamアカデミー建設に研修生として参加した。競技で得た奨学金が、建物をつくる仕事にもつながった例だ。組織は、ルイーザが大学在学中に病気で亡くなったことも伝えている。
クラブと大学へ、進路は枝分かれした
プリンセス・マルフォは、デンマークのFCノアシェラン女子トップへ進んだ最初のRight to Dream卒業生になった。FCノアシェランは、同組織の育成網につながるクラブだ。ジョイ・オコンイェは、米国の名門ブラウン大学へ進学した。
プロクラブと大学。二つの例は、寄宿奨学金の出口が一つではないことを示す。女子選手を集めてトップチームへ送るだけでなく、学校教育を使って別の専門分野へ進む余地を残している。
2人目の移籍には、競技以外の準備もあった
2026年2月、FCノアシェランはセリ・グレース・ルスとの契約を発表した。コートジボワール出身のセリは2018年にガーナ校へ入り、同校からFCノアシェランへ正式に移る2人目の女子選手になった。
クラブの技術責任者は、移籍にはサッカー面だけでなく、生活面でも多くの準備が要ると説明した。女子部門のスタッフ、カイリー・パーソンズが長年セリを支え、ガーナからデンマークへの移行を助けたという。最初の9人に渡した「生活ごとの支援」は、国をまたぐ次の段階でも必要だった。
