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107戸の高齢者住宅を観客席と同じ建物へ FCバーゼル本拠地が「街の建物」でもある理由

FCバーゼルの本拠地ザンクト・ヤコブ・パルクには、観客席と同じ建物の中に高齢者住宅がある。107戸のアパートと16室の介護用個室を備え、買い物にも館内から行ける。試合日の器と日常の住まいを重ねた競技場だ。

クラブの所有物ではない「ヨッゲリ」

ザンクト・ヤコブ・パルクは、スイス北西部の都市バーゼルにあるFCバーゼルの本拠地だ。地元では「ヨッゲリ」と呼ばれる。最初の試合は2001年3月15日。建設費は約2億5000万スイスフランだった。

所有者はクラブではなく、スタジアム協同組合である。FCバーゼルは本拠地として使い、施設の販売・運営面を担う一方、建物そのものは別組織が持つ。この区別が、競技場以外の用途を理解する入口になる。

107戸と16室は、付属設備の数字ではない

建物内のテルティアヌム・レジデンツ・ザンクト・ヤコブ・パルクは、高齢者向け住宅と介護施設を運営する。スイスの施設情報サイトheiminfo.chは、107戸のアパートと、介護区画の個室16室を掲載している。

107戸は、観戦用の宿泊室や短期滞在施設の数ではない。自分の家具を置いて暮らせる住戸であり、必要に応じて生活支援や介護を受ける場所だ。競技場の外周に、独立した生活拠点が一つ入っている。

買い物には館内のエレベーター、試合には専用席

住宅運営者の案内には、ショッピングセンターへ館内のエレベーターで移動できることと、競技場内に専用ラウンジがあることが記されている。試合を見るかどうかは入居者が選べる。サッカー好きだけを集める住まいではない。

この二つの設備は、競技場と住宅が隣り合うだけではないことを示す。暮らしの動線は買い物へつながり、希望すれば観戦にもつながる。試合がない平日にも、建物を使う人がいる。

建築家が受け取った時点で、用途は三つあった

設計を担ったのは、バーゼルを拠点とする建築家ヘルツォーク&ド・ムーロンだ。同事務所は計画を「サッカー場、商業センター、高齢者住宅」と表記し、実現期間を1998~2002年としている。

建築家が加わる前に、ゼネコンの予備計画が建物の規模と商業利用面積を定めていた。高齢者住宅は、有名建築家が後から足した飾りではない。設計側はその条件を受け、住宅の長い水平面や、競技場と住宅で分けたロビーと入口に力を注いだ。用途を重ねながら、観戦客と住民の出入りは分けた。

参考記事FC Basel — St Jakob-Park facts and historyHerzog & de Meuron — St Jakob-Park BaselBasel Tourism — St Jakob-ParkTertianum — Residenz St Jakob-Parkheiminfo.ch — Tertianum Residenz St Jakob-Park