ゴール裏2万8000席を、ファン団体が売っていた マルセイユが2015年に戻した販売権
フランスのオリンピック・マルセイユでは、クラブがゴール裏の年間席を割安でサポーター団体へ渡し、団体が会員へ販売する仕組みが長く続いた。2015年時点の対象は北・南のゴール裏2万8000席、報道では9団体だった。同年10月、クラブは8団体と、全入場券を自ら販売する原則で合意する。数字が一つ違うのは、旧制度の参加数と合意文書の署名数が別だからだ。
1990年、最初は10枚ほどだった
マルセイユは地中海に面するフランス南部の港町だ。地元クラブOMのゴール裏では、1990年ごろからサポーター団体が年間席を扱った。仏誌So Footが研究者と元クラブ幹部に取材した記事によると、南側スタンドの非指定席で始まり、ウルトラスが最初に任されたのは10枚ほどだった。団体は会員を集め、歌や大きな応援幕の配置を組みやすくなった。クラブにとっても、販売と客席運営の一部を任せられる仕組みだった。
9団体が2万8000席を売る規模へ
ESPNの2015年10月報道では、OMは9団体へ割安で年間席を渡し、団体が北・南のゴール裏計2万8000席を販売していた。少人数向けの優先枠ではない。二つのスタンドの年間席を、サポーター組織がまとめて動かす規模だった。歌やコレオグラフィーをそろえやすい一方、最終購入者をクラブが直接把握しにくいという管理上の問題もあった。
合意したのは8団体。数字が一つ減る理由
2015年9月のリヨン戦では投げ込みなどが起き、試合が20分以上止まった。10月6日の共同声明に名を連ねたのは8団体だ。旧制度に関わった団体数として報じられた9とは、数えている場面が違う。クラブと8団体は、年間席と一試合券を含むスタッド・ヴェロドロームの全入場券を、OMが全面的かつ排他的に販売する原則で合意した。声明はサッカーを取り巻く環境の変化と、同会場を使うEURO2016への対応も理由に挙げた。
販売はクラブへ、歌と遠征は団体に残った
2024年、クラブ所有者側は会場全体の年間席保有者が4万9000人に達したと発表した。2015年の2万8000はゴール裏だけなので、二つの数字を増減として比べることはできない。現在のOM公式ページには7つの公式サポーター団体が載り、歌や応援幕、遠征、地域活動を担っている。2015年にクラブへ戻ったのは入場券を売る権限だ。応援を組織する役割までクラブへ移ったわけではない。
