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ファンが救い、ファンが売却を決めた ポーツマスの4年間が示す「所有」の二つの役目

イングランド南部の港町を本拠とするポーツマスFCは、2013年にサポーターの資金で経営危機を抜けた。ところが4年後、そのサポーター自身が外部オーナーへの売却を選ぶ。ファン所有は、持ち続けることだけを意味しなかった。

1口1000ポンドが、クラブを会社管理から出した

ポーツマスは短期間に二度、経営破綻後の会社管理手続きを経験した。2013年、ポンペイ・サポーターズ・トラスト(PST)が中心となってクラブを引き受ける。ポンペイはクラブの愛称だ。クラブの10周年回顧によると、個人や仲間同士の組合が1口1000ポンドを出し、コミュニティ株で約200万ポンドを集めた。大口の支援者だけでなく、小口出資者をまとめる仕組みが再出発を支えた。

最初の仕事は、補強より約700万ポンドの返済だった

クラブは2013年4月に会社管理を離れた。Football Supporters' Association(FSA)の回顧では、ファン所有の4年間に債権者へ約700万ポンドを返し、計画より2年早く過去の債務をなくした。2014年9月の完済後、チームは2016-17季にリーグ2を制した。救済の成果は、派手な投資より先に、クラブが次の経営判断をできる状態へ戻ったことにある。

2272人が、PSTの48.5%を売るか決めた

2017年、元ウォルト・ディズニー会長のマイケル・アイズナー側が、全株式を567万ポンドで取得し、さらに1000万ポンドを投じる案を示した。PSTの有資格株主は2272人。投票率は93.6%で、1825人がPST保有株の売却を支持した。PSTの持分48.5%に、個人大株主「プレジデンツ」の賛成分32.9%を加えると81.4%。会社売却に必要な75%を超えた。PSTの会員投票と、会社全体の株式比率は別の数字である。

救ったのに、なぜ手放したのか

債務を整理できることと、競技場や練習環境へ長期投資できることは別だ。アイズナー側の提案には、買収代金とは別の1000万ポンドが含まれた。一方、売却すれば日々の最終決定権はファン組織から離れる。株主は48ページの提案資料を読み、その交換条件を投票で選んだ。残すか売るかの結論だけでなく、決定を小口株主へ戻した手続きそのものが、4年間のファン所有を表していた。

株は手放しても、相談の席は残した

FSAが2018年にまとめた時点で、PSTは売却代金275万ポンドの分配を進め、230万ポンド超を元の出資者へ返していた。希望者の返金分から、地域活動へ7万6000ポンド、クラブ史の保存団体へ3万5000ポンドも贈られた。現在のクラブのファンエンゲージメント計画には、個人大株主とPST代表がオーナー側と話すHeritage & Advisory Boardが残る。株主としての支配権はなくなったが、歴史や将来計画を協議する制度上の席は続いている。

公式Xの投稿

参考記事Portsmouth FC — ten years since community ownershipPortsmouth FC — 2017 sale statementThe Guardian — PST shareholder voteFootball Supporters' Association — after fan ownershipPortsmouth FC — fan engagement plan