3万人と700社が建て、市へ渡した ガンバ大阪の本拠地が『クラブ所有』ではない理由
パナソニックスタジアム吹田は、ガンバ大阪が自社資金だけで建てた本拠地ではない。3万人を超す個人と700社を超す企業から寄付を集め、助成金などと合わせて140億円以上を用意した。完成後の所有者はクラブでも募金団体でもなく、吹田市だ。ガンバは市有施設を使うだけでなく、日々の運営と修繕も担っている。
21万筆の署名後、2012年に募金が始まった
大阪府吹田市は、大阪市の北側にある街だ。市報によると、新スタジアム構想は2008年に始まり、2009年に計画が公表された。2011年には建設を求める署名が21万筆集まり、建設地が吹田市に決まった。募金の開始は翌2012年、着工は2013年だった。21万筆は建設費ではなく、計画を前へ進めるために集めた意思表示だった。
募金138億円に、toto助成金などを加えた
吹田市の10周年記録では、2015年までに集まった募金は約138億円。別の市公式ページは、3万人以上の個人と700社以上の企業による寄付に、スポーツ振興くじ「toto」の助成金などを加え、建設資金が140億円を超えたと説明している。138億円は募金、140億円超は助成金などを含む建設資金で、同じ数字ではない。
公式Xの投稿
2015年9月30日、完成した建物を市へ寄贈
スタジアムは2015年9月に完成し、同月30日に吹田市へ寄贈された。寄贈とは、所有権を無償で相手へ移すことだ。施設は市の「市立吹田サッカースタジアム」となり、ガンバ大阪は2016年から本拠地として使用している。クラブは同時に指定管理者も務める。指定管理者とは、自治体の施設を民間団体などが管理する制度だ。
利用料金はクラブの収入、修繕費はクラブの負担
吹田市の政策資料では、市からガンバ大阪へ指定管理料を支払わない。スタジアムの利用料金は、市の承認を受けた額をクラブが収入として受け取る。一方、府有地の賃借料、維持管理費、大小の修繕費は指定管理者が負担する。市有になった後も、クラブは運営と設備維持の責任から離れていない。
4万人の本拠地は、災害時に一時避難所になる
約4万人を収容するスタジアムは、日本代表戦を開ける競技施設である一方、災害用備蓄倉庫を備える。緊急時には一時避難所や災害対策本部として使う想定だ。太陽光発電と雨水利用の設備もある。寄付と助成で建て、市が所有し、クラブが運営と修繕を担う。その役割分担が、試合のない日の施設の使い方まで支えている。
