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岩壁をゴール裏に残した ブラガ市営競技場が観客席を二面に絞った理由

ポルトガル北部にあるブラガ市営競技場は、約3万人分の観客席を両タッチライン沿いに集めた。一方のゴール後方には採石場の岩壁、もう一方には谷が開く。2003年の完成までに掘り出した花崗岩は、競技場のコンクリートへ戻された。地形、材料、観戦位置を一つの工事で結んだ本拠地だ。

競技場の配置編集部作図
客席は両タッチライン側に置かれ、二つのゴール裏には客席がない。一方に採石場の岩壁、反対側に谷が開く。根拠資料: Pritzker Prize

2003年、モンテ・クラストの採石場に完成

エスタディオ・ムニシパル・デ・ブラガは、ブラガ市が所有し、SCブラガが本拠地に使う市営競技場だ。愛称の「ア・ペドレイラ」はポルトガル語で採石場を意味する。市街地北側のモンテ・クラストの斜面を使い、2003年に完成した。翌年のUEFA EURO 2004ではグループリーグ2試合を開催した。

約3万人を、タッチライン沿いへ集めた

設計したエドゥアルド・ソウト・デ・モウラは、ポルトガルの建築家だ。観客席は両タッチライン側に置かれ、一方のゴール後方に切り立った岩壁、反対側に谷が見える。二つのスタンドに集めることで、多くの席からピッチを長辺方向に見る配置になった。採石場の斜面と谷の眺めが、競技場の両端を決めている。

公式Xの投稿

SC Braga — Estádio Municipal de Braga

約150万立方ヤードの花崗岩を、コンクリートへ戻した

プリツカー建築賞の資料によると、工事では約150万立方ヤードの花崗岩を掘り出した。これは採石場を競技場の器へ変えるために動かした岩の量だ。石は砕かれ、競技場のコンクリートにも使われた。山を削る工程と建物を造る工程が、同じ材料でつながった。

二つの屋根を、鋼鉄ケーブルが結ぶ

東西のスタンドにはそれぞれ屋根があり、間を鋼鉄ケーブルが渡る。EUミース賞の資料は、初期案の連続したひさしから、ペルーのインカ橋を思わせる構造へ変わったと説明する。屋根を一枚で覆う形より空を大きく残しながら、向かい合う二面を一つの構造にまとめた。

2005年のEUミース賞、2011年のプリツカー賞へ

競技場は2005年のEUミース賞を受賞した。ソウト・デ・モウラは2011年、建築家の仕事全体を評価するプリツカー賞を受けた。同賞の顕彰文でも、ブラガの岩壁と人工構造を共存させた仕事が代表例に挙げられている。二面の客席には、採石場の地形、掘り出した材料、二つの屋根を一つにまとめた判断が表れている。

参考記事SC Braga — stadium self-guided tourPritzker Prize — Eduardo Souto de MouraUEFA — Braga at EURO 2004EU Mies Awards — Braga Municipal StadiumEixo Atlántico — Estádio Municipal de Braga